共働きなのに、なぜかお金が残らない
ふたりとも働いているのに、思ったほど貯まっていない。どちらかがむだづかいをしているわけでもない。そんな家は、めずらしくありません。
共働き夫婦500人に聞いた調査(2026年4月)では、「共通の口座に一定額を入れ、それ以外は各自のお小遣い」という家が29%でいちばん多く、相手の資産状況を知らない人が46.8%いました(株式会社Hajimari「フリーランスジョブ」調べ「共働き夫婦の家計管理調査」)。
つまり、財布が別々で、相手のお金が見えていない家が多いのです。それ自体は悪いことではありません。自分のお金を自由に使えるのは、共働きの良いところです。
問題は、そのままだと「どちらの財布にも入らないお金」が生まれて、気づかないうちに消えていくことです。
財布が別々の家で、お金が消える4つの理由
このサイトでは、財布が別々の家で起きやすいことを「4人の犯人」と呼んでいます。
| 犯人 | 起きること |
|---|---|
| ① 担当なしの出費 | どちらが払うか決まっていない小さな出費を、その場にいた方が払う。誰も合計を知らない |
| ② 「相手が貯めているはず」 | ふたりとも、相手が貯めていると思い込んでいる |
| ③ ふたり分の重なり | 同じ定額サービスや日用品に、ふたりが別々に払っている |
| ④ 行き先のない余り | 月末の余りに使い道が決まっておらず、次の月に消える |
どれも、誰かが悪いわけではありません。「ふたりとも、家全体の数字を見ていない」という仕組みが生む犯人です。だから、最初にやることは節約ではなく、見えるようにすることです。
くわしくは、共働きなのに貯金できない4つの理由で説明しています。
手順1:まずは自分の分だけ、5分で見える化する
いきなり夫婦で全部を見せ合うのは、ハードルが高いものです。最初は、相手に何も言わなくて大丈夫。自分の分だけ、次の3つの数字を出します。
- 手取り(毎月、口座に入る額)
- 固定費(家賃、通信費、保険料、定額サービスなど、毎月決まって出ていく額)
- 貯金(毎月、決まって貯めている額)
手取りから、固定費と貯金と、分かっている支出を引くと、行き先が分からないお金が出ます。これが、あなたの財布の中の「見えないお金」です。
見えないお金の計算に入れると、月と年の額がすぐに出ます。定額サービスの重なりが気になる人は、サブスク・固定費の年額換算で年額にしてみると、見直す順番が決めやすくなります。
手順2:「共通の財布」の型と金額を決める
自分の分が見えたら、次はふたりで「共通の財布」を決めます。財布を全部ひとつにする必要はありません。家のお金を出す財布を、ひとつだけ作ります。
型は3つあります。
| 型 | 入れ方 | 向いている家 |
|---|---|---|
| A 定額型 | ふたりが同じ額を入れる | とにかく始めやすさを優先したい |
| B 割合型 | 手取りの割合に合わせて入れる | 収入に差がある |
| C まとめ型 | お小遣い以外をすべて入れる | 家全体をいちばん見えるようにしたい |
入れる金額は、「生活費」と「目標のための貯金」を足した額から決めます。共通の財布の分担計算に手取りと生活費を入れると、3つの型でふたりがいくらずつ入れるかを一度に比べられます。
型の選び方は、共働きの「共通の財布」3つの型の選び方でくわしく説明しています。
手順3:月15分の家計会議で、目標に戻る
仕組みを作っても、放っておくと少しずつずれていきます。そこで、月に1回、15分だけ、ふたりで家計の話をする時間を作ります。
話すのは、次の3つだけです。
- 共通の財布は、予定どおりに回ったか
- 先取り貯金は、目標に向かって進んでいるか
- 来月、変えたいことはあるか(小さく、1つだけ)
お金の話は、どちらかが切り出すとケンカになりやすいものです。家計会議の質問文メーカーを使うと、AIにそのまま貼れる「中立の司会役」の質問文が作れます。人に言われるより、角が立ちにくくなります。
会議の続け方は、月15分の家計会議を続けるコツにまとめています。
家計簿はつけなくていい
「家計管理=家計簿」と思って、何度も挫折した人も多いはずです。でも、この3つの手順では、毎日の記録はしません。
- 自分の分は、月に1回、3つの数字を見るだけ
- 共通の財布は、入れる額を決めて自動で振り替える
- 貯金は、給料日に先に分ける
毎日がんばるのではなく、月に1回だけ見る仕組みにするのがコツです。家計簿なしで回す工夫は、家計簿が続かない夫婦のための「つけない家計管理」で紹介しています。
目標は「ふたりで同じもの」をひとつ
4人の犯人の④「行き先のない余り」を捕まえるには、ふたりで同じ目標をひとつ持つのがいちばんです。
「夏休みに家族で旅行に行く」「2年後に車を買い替える」のように、いつまでに、いくら要るかが決まると、毎月先に分ける額が出せます。目標の先取り貯金の逆算で、毎月の額とふたりの分担を計算できます。
まとめ
- 共働きの家計管理は、財布を全部ひとつにしなくても始められる
- 手順1:自分の分だけ、手取り・固定費・貯金の3つの数字を見る
- 手順2:「共通の財布」の型と、毎月入れる額をふたりで決める
- 手順3:月15分の家計会議で、家族の目標に戻る
今日できるのは、手順1だけで十分です。5分で、自分の「見えないお金」を出すところから始めてみてください。