「みんな、いくらあげてるの?」がいちばん多い疑問
お菓子売り場で「買って!」が始まるたびに、「そろそろ、おこづかいにしようかな」と思う。でも、いくらにすればいいのか分からない。多すぎても少なすぎても、なんだか不安です。
最初に、よその家の数字を見ておきましょう。そのあとで、わが家の額の決め方を説明します。
少し前の大きな調査では:月500〜1,000円が多い
金融広報中央委員会が全国の小中高生に聞いた調査(2015年度)では、おこづかいを「もらっている」と答えた小学生は、どの学年でも7割強でした(1・2年生72.9%、3・4年生73.0%、5・6年生73.2%)。
| 学年 | もらい方でいちばん多いもの | 月1回もらう子の額(いちばん多い額) | 月1回もらう子の額(真ん中の額) |
|---|---|---|---|
| 1・2年生 | ときどき(57.3%) | 500円 | 500円 |
| 3・4年生 | ときどき(47.8%)、次に月1回(32.1%) | 500円 | 500円 |
| 5・6年生 | 月1回(45.0%) | 500円 | 1,000円 |
※「真ん中の額」は、少ない順に並べたときにちょうど真ん中にくる額です。平均は一部の大きな額に引っぱられて、864〜1,085円でした。
※出典:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度調査」(図表1・4・5)
10年ほど前の調査なので、物価が上がった今は、もう少し多い家もあるはずです。それでも「小学生の月のおこづかいは、500〜1,000円くらいの家が多い」という目安には使えます。
学年別の目安(早見表)
上の調査と、このあと説明する「今払っている額から決める」方法を合わせると、目安はこうなります。
| 学年 | 渡す間隔 | 額の目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1・2年生 | 週1回 | 週100円前後(月400〜500円) | 1か月は長すぎることがある。週ごとだと、失敗してもすぐやり直せる |
| 3・4年生 | 月1回(慣れるまでは月2回でも) | 月500〜1,000円 | 月1回にして「月の途中でなくなる」を経験させる |
| 5・6年生 | 月1回 | 月1,000円前後 | 友だちとの買い物が増える。何をおこづかいで払うかを広げる |
ただし、この表はあくまで「よその家」の目安です。わが家の額は、次の決め方で決めてください。
わが家の額は「今、払っている額」から決める
おすすめの決め方は、平均ではなく、今、親が子どもの「欲しい」に払っている額から決める方法です。手順は3つです。
- この1か月で、子どもに「買って」と言われて買ったものを思い出す(お菓子、ガチャガチャ、シール、ゲームの課金など)
- そのうち、これからは「おこづかいで買ってね」にしたいものだけを足す
- その額を、月のおこづかいの目安にする(多すぎると思ったら、少し減らす)
たとえば、こんな家があったとします。
| この1か月に買ったもの | 回数 | 金額 | おこづかいへ |
|---|---|---|---|
| スーパーのお菓子 | 4回 | 600円 | ○ |
| ガチャガチャ | 2回 | 600円 | ○ |
| キャラクターのシール | 1回 | 330円 | ○ |
| 学校で使うノート | 1回 | 200円 | ×(親が買う) |
| 合計(○だけ) | 1,530円 |
この家なら、月1,000〜1,500円のあたりが目安になります。
「調査より多い」と感じたら
計算してみると、「よその家より多い」と驚くことがあります。でも、それは「今すでに、それだけ払っている」ということです。
おこづかいにしても、家のお金は増えません。流れる場所が、親の財布から子どもの財布に変わるだけです。
むしろ、おこづかいにすると減ることもあります。自分のお金になると、子どもが「それ、本当に欲しい?」を考え始めることが多いからです。お菓子売り場での交渉も、「自分のおこづかいで買う?」のひと言で終わりやすくなります。
先に決めておきたい「おこづかいで買うもの」
額を決める前に、もうひとつ決めておくことがあります。それは、何をおこづかいで買い、何を親が買うかの線引きです。
- おこづかいで買う:お菓子、ガチャガチャ、シール、マンガなど「欲しいもの」
- 親が買う:学校で使うもの、服、本など「必要なもの」
- 相談して決める:友だちへのプレゼント、遊びに行くときの交通費など
線があいまいだと、「それくらいは買ってよ」が積もって、結局お菓子売り場の交渉に戻ってしまいます。金融広報中央委員会の冊子でも、おこづかいでまかなう範囲を最初に決めておくことを「大前提」としています(「くらし塾 きんゆう塾」2015年冬号)。
渡し方は「定額」を基本に
渡し方は、大きく3つあります。
| 渡し方 | どんな渡し方か | 良いところ | 気をつけるところ |
|---|---|---|---|
| 定額 | 決まった日に、決まった額を渡す | 計画して使う練習になる | もらうのが当たり前になりがち |
| 報酬 | お手伝いなどの分だけ渡す | 働くとお金になると分かる | 家のことが全部「有料」になりやすい |
| ときどき | 必要なときに、そのつど渡す | 理由を説明する練習になる | 結局、毎回親が決めることになる |
共働きの家におすすめなのは、定額を基本にして、特別な仕事だけ少し上乗せする組み合わせです。月に1回(低学年は週に1回)渡すだけなので、親の手間がいちばん少なくてすみます。
ふだんの手伝い(自分の食器を下げる、洗濯物をたたむ)には払いません。それは家族の仕事です。払うのは「大掃除で窓をふく」など、特別な仕事だけにしておくと、「お金をくれないならやらない」が始まりにくくなります。
渡す日と、額を上げるタイミング
- 渡す日を決める(毎月1日、毎週土曜など)。前借りはしない
- 手渡しにして、「今月の分です」と一言そえる。子どもの中で「お給料」になります
- 額を上げるのは、学年が上がったときと、「おこづかいで買うもの」を増やしたときだけ
ルールが決まったら、紙に書いて冷蔵庫に貼っておくと、親どうしで言うことがずれません。おこづかいの約束書きメーカーを使うと、決めたことをAIに清書してもらう質問文が作れます。
まとめ
- 少し前の調査では、小学生の月のおこづかいは500〜1,000円くらいの家が多い
- わが家の額は、「この1か月に、子どもの欲しいに払った額」から決める
- 先に「おこづかいで買うもの・親が買うもの」の線を引く
- 渡し方は定額を基本に。渡す日を決めて、前借りはしない
まずは今夜、この1か月に「買って」と言われて買ったものを思い出して、子どものおこづかいの目安に入れてみてください。わが家の額が、数字で見えてきます。