月額は、小さく見えるようにできている
動画、音楽、写真の保存容量、アプリ、雑誌の読み放題。月に数百円から数千円の定額サービスは、ひとつひとつは「まあ、このくらいなら」と思える金額です。
でも、それが5つ、6つと積み重なると話が変わります。しかも、毎月自動で引き落とされるので、払っている感覚がほとんどありません。気づいたら、何に入っているかすら思い出せない。そんなこともよくあります。
年額にすると、判断しやすくなる
おすすめは、月額を12倍して「年額」で見ることです。
| 月額 | 年額 | 10年続けると |
|---|---|---|
| 500円 | 6,000円 | 6万円 |
| 1,490円 | 1万7,880円 | 17万8,800円 |
| 3,000円 | 3万6,000円 | 36万円 |
月1,490円だと「コーヒー数杯分」ですが、年額で1万7,880円と聞くと、「それなら家族で外食1回分だな」と比べやすくなります。年額にすると、ほかの使い道と同じ物差しで比べられるのです。
10年の合計は、今の月額がずっと続いた場合の、単純な掛け算です。値上げや解約は入れていません。こわがらせるための数字ではなく、「長く続く出費ほど、一度見直す価値がある」と気づくための目安です。
共働きに多い「ふたり分の重なり」
財布が別々の夫婦で起きやすいのが、同じものにふたりが別々に払っている「重なり」です。本では、お金を消す「4人の犯人」のうちの1人、「犯人③ ふたり分の重なり」と呼んでいます。
たとえば、こんなことはありませんか。
- 家族で共有できるプランがあるのに、ふたりがそれぞれ個人のプランに入っている
- 似たような動画サービスに、夫と妻が別々に入っている
- スマホの保存容量を、ふたりともそれぞれ買い足している
どれも、相手が何に払っているかが見えないことから起きます。どちらかが悪いわけではありません。お互いに知らなかっただけです。
見直しは、この順番で
全部を一度に見直そうとすると疲れます。次の順番で、上から1つずつ進めるのがおすすめです。
- ふたりで重なっているもの:同じもの、似たものに別々に払っていないか確かめます。いちばん納得しやすく、暮らしの満足度も下がりにくい見直しです。
- ほとんど使っていないもの:最後に使ったのがいつか、思い出してみます。「いつか使うかも」で続いているものは候補です。
- まとめられるもの:家族プランや年払いなど、まとめると安くなる仕組みがあるかを、各サービスの公式の情報で確かめます。
- それ以外の固定費:携帯代や保険料などは、仕組みが複雑なものもあります。急がず、公式の情報や窓口で確かめながら進めましょう。
保険のように、続けるかどうかの判断に専門の知識が要るものについて、このサイトでは「どれを選ぶべきか」はお伝えしていません。年額を知るところまでにとどめて、判断は各社の窓口などで確かめてください。
一覧にするだけで、半分終わる
見直しで一番大変なのは、実は「全部を書き出すこと」です。次の場所を順番に見ると、漏れが少なくなります。
- クレジットカードの明細(毎月同じ名前で引き落とされているもの)
- 口座の引き落としの記録
- スマホのアプリストアの、定期購入の一覧
書き出したら、サブスク・固定費の年額換算に月額を入れてみてください。年額と10年の合計がその場で出ます。「見直し候補」に印を付けると、やめた場合の金額も分かります。
やめるときの小さな注意
- 解約は、次の更新日の前に済ませます。更新日を過ぎると、次の期間の料金がかかることがあります。
- 無料体験には、期間が終わると自動で有料に切り替わるものがあります。申し込んだ日に、終わる日をカレンダーに入れておくと安心です。
- 解約の手順はサービスごとに違います。アプリを消しただけでは解約にならないこともあるので、公式の案内で確かめてください。
よくある迷い
年払いのものは、どう入れる?
年払いのものは、12で割って月額にしてから入れます。年払いは引き落としが年に1回なので、明細を見ても気づきにくいものです。引き落としがある月を、カレンダーにメモしておくと安心です。
相手のサブスクを聞くのが気まずい
いきなり「何に入ってるの?」と聞くより、自分の一覧を先に見せる方が話しやすくなります。「自分のを書き出してみたら、意外と多かった」と話すと、相手も自分の分を出しやすくなります。
好きなものは、やめなくていい
見直しは、我慢大会ではありません。毎日楽しみにしている動画サービスや、仕事に欠かせないアプリまで、無理にやめる必要はありません。
大事なのは、「知らないうちに払っている」状態をなくすことです。年額を知った上で「これは続ける」と決めたなら、それは立派な判断です。
夫婦で一覧を眺めて、「これは残そう」「これはやめよう」と話すだけでも、家計会議の小さな約束が1つできます。浮いたお金の行き先まで決められたら、言うことなしです。